パーソナルトレーナーが勘繰るワンピースの裏設定 PART2

こちらの記事はPART2になります。

始めに前回の記事から一読頂けると幸いです。

さて、前回の記事ではワンピース世界に存在すら血液型を元に、物語の主要キャラであるサンジの正体に迫りました。

サンジの母親は人魚魚人)であり、サンジはその血を受け継いだとても珍しい存在なのではないかという説。

その説を展開するにあたり、キーとなったのが"RH−(アールエイチマイナス)"という血液型でした。
ワンピースの世界での血液型はA・B・AB・O(ABO式血液型)ではなく、X・F・XF・Sとオリジナルの血液型を採用していますが"RH−"の血液型は現実世界にも存在します。
ここに尾田先生の拘りと特別な意図を感じるのです。

こちらのPART2記事では、さらに"Rh−"の血液型をギークに深掘っていきます。

血液にはA・B・AB・Oの4タイプの血液型の他にRh+プラスとRh-マイナスに分かれており、Rh−の割合が200人に1人であり、人口の0.5%しかいない日本ではその違いが何であるか、どこから来ているのかを考える機会は非常に少ないのではないかと思います。

そもそも"Rh"とは
血液はRh因子(Rh factor)の有無で+と-に分かれる訳ですが、これは1937年にオーストリアの病理学者カール・ラントシュタイナーが弟子のアレクサンダー・ヴィナーと共に人の赤血球にアカゲザル(Rhesus monkey)と共通の抗原(プロテイン)がある事を発見し、これをアカゲザル Rhesus monkeyの頭文字を取り、Rh因子と名付けました。
このRh因子があれば+なければ-です。

そして、Rhマイナスの出現率の低さの一般的な解釈の背景には妊娠事情にあり、Rhマイナスの女性が妊娠した際には、細心の注意が必要となります。
Rhマイナスの女性が妊娠すると、まず受けなければいけない検査がお腹の中の子の血液検査です。
というのもRhマイナスの母親がRhプラスの子を妊娠する場合に"Rh式血液型不適合妊娠"と言うリスクが伴うからです。

Rhプラスの子の抗原がRhマイナスの母親の血液に入ってしまった場合は、母親の免疫システムが子のRh抗原を外敵と見なし、攻撃する抗体を作り出します。
知らずに何も対処しないでいると、赤ちゃんの赤血球が母親の抗体によって壊され、最悪の場合は流産となる事も。

その為、母親は妊娠4ヵ月辺りでこの抗体の生成を防ぐために"抗D⼈免疫グロブリン製剤"と呼ばれる注射を打ち免疫システムの反応を抑制します。
子がRhプラスだった場合、この注射のお陰で無事に生まれてくる事が出来ます。
ただし、やはり本来はRhマイナスの母親がRhプラスの子を妊娠するのはリスクが大きく、出産の際はとても大変な難産を強いられます。

因みに、逆にRhプラスの母親がRhマイナスの子を授かった場合には同じような問題はありません。
この様にRhマイナス血液は女性の妊娠の観点から見て非常に特殊である事が分かります。


世界人口全体では85%がRhプラス、そして15%がRhマイナスとされています。
日本人のRhマイナスの割合は0.5%ととても珍しく、数にして200人に1人、AB型のRhマイナスとなると割合は2,000人に1人。
日本だけでなく東アジア圏全体でもRhマイナス血液の割合は非常に稀で、東洋人にとっては当然身近で話を耳にする機会も少ないでしょう。

Rhマイナスの割合は白人種に多く、ヨーロッパ諸国や英語圏の国に割合が高い事が分かります。
以下のグラフの0%から左側がRhマイナスの割合です。

そしてまたその中でもRhマイナスの人口割合が高いのが、地中海周辺であるバスク地方北アフリカ地方カナリア諸島

バスク地方に至っては、人口の32%がRhマイナスで、Rhマイナス人口が少ない日本との差は歴然。

そしてこの前述の地域の共通点となるのが"クロマニョン人"のルーツだと言う事です。

クロマニョン人の化石発掘マップに記されている様に、Rhマイナス血液の割合が高い地域は旧石器時代のクロマニョン人の化石が発掘された場所と一致している事が分かります。

この事からクロマニョン人にRhマイナス血液の割合が高かったのではないかと推測できます。
なぜ推測なのかというと、クロマニョン人の血液型に関する遺伝子解析の研究結果は未だ公表されていないからです。
ここまで調べるだけでも、Rhマイナス血液の起源がクロマニョン人である説はかなり濃厚そうです。

最新の遺伝子解析技術ではクロマニョン人がRhマイナスだったかどうかは分かっていそうな筈ですが、この事に関する研究結果は残念ながら検索しても全く何も見つかりません。

しかしながら、クロマニョン人とRhマイナスの研究結果は未だ発表されないものの、クロマニョン人が遺伝子的に、そして解剖学的にも現代ヨーロッパ人であることを発表されています。
現代ヨーロッパ人の祖先はネアンデルタール人ではなく、クロマニョン人である事がほぼ確実だそう。
もう、クロマニョン人とRhマイナスの関係性もほぼ白です。

旧人クロマニョン人の学名は"Homo sapiens sapiens"
つまり、現世人類ホモサピエンスの事であり、
クロマニョン人の出現 = ホモサピエンスの誕生
となっています。

現在ではクロマニョン人を、現世人類と合わせて解剖学的現代人anatomically modern human:AMH) と呼ぶ事がある。
またネアンデルタール人を、従来の日本語では旧人と呼ぶのに対し、クロマニョン人に代表される現代型ホモ・サピエンスを、従来の日本語では新人と呼ぶ事もある。※Wikipediaより

クロマニョン人は一万年前に絶滅したという風に認識されていた方にはかなりショッキングで受け入れがたい事実かもしれませんが、人類学の常識はDNA解析技術の進歩により次々と新たな発見が見つかり、目まぐるしく更新されています。

さて、ここで一つ気をつけてもらいたい点があります。
それはクロマニョン人という言い方は、現在学術的には解剖学的現代人、現世人類、などの言葉で置き換えられ、あまり使われない様になってきています。
これはおそらくクロマニョン人に隠された何かを見えない様にする意図があるのではないかと思っています。
というのも、クロマニョン人と表現する場合には主にコーカソイド(白人種)のみを意味しますが、解剖学的現代人、現世人類、などと表現する場合には、クロマニョン人も含め、凡ゆる人種全てを含む為、全てが同じ種のような印象を与えます。

人類に近いとされる霊長類に目を向けてみると興味深い事実があります。

霊長類は612種類確認されていますが、Rhマイナスの霊長類は一種類も確認されていないのです。
Rhマイナスの血液を持っているのは現世人類ホモサピエンスだけ。

ダーウィンの進化論は科学的に否定されていると主張する人類学者ロバート・セパーはこう語ります。

(訳)
「もし人類が同じアフリカの祖先から進化したとするのなら、あらゆる人々の血液は適合するはずだがそうではない。
Rhマイナス血液は3万5000年前に突然クロマニョン人に現れた。
Rhマイナス血液はどこからやって来たのだろうか?
Rhマイナスの妊婦の体が自身の子である、お腹の中のRhプラスの子を拒絶しようとするのはなぜだろうか?
人類は一つの種ではなく、ハイブリッド種(交配種)なのである。」と。

と、まぁここまで小難しい事を長ったらしく書いてしまいましたが、最後にバスク人の起源を研究するネバダ大学バスク研究センターのサイトを覗いてみましょう。(訳)
バスク人の起源とは?
バスク人がどこからやって来たのかは誰にも分かっていません。
クロマニョン人が初めてヨーロッパを放浪し始めた頃から彼らがバスクに住み続けているという見解があります。
彼らがどのくらいの間バスクに住んでいるかの推定は、1万年~7万5000年と意見が分かれています。
原始のイベリア人が起源だという説もあります。
より空想的な説もあります。
それはバスク人がアトランティスの生き残った人々だという説です。

!?!?

"バスク人がアトランティスの生き残り"

アトランティス大陸があったとされている場所は、バスクとも近い大西洋です。

Rhマイナスバスク=クロマニョン=アトランティス

キーワードが繋がりました。

都市伝説としてよく取り扱われる"アトランティス"という言葉がネバダ州がスポンサーする研究機関の公式サイトに大真面目に記載してあるとは驚きです。

しかしこの事で、Rhマイナスの起源がアトランティス人であるという根拠が色濃くなり、尾田先生がワンピースという作品を通して、サンジや人魚・魚人の血縁により、現実世界でのアトランティスの存在証拠を示してくれているのでは…と。

如何だったでしょうか?笑
パーソナルトレーナーとして、クライアント様をパーソナライズする為にしていた人類史の学びと、自身が好きなワンピースを繋げたロマン溢れる考察でした。

あの壮大なワンピースの物語の中に於いて、この話は極々小さなピースかもしれませんが、この小さなピースにこれだけの裏設定とロマンが詰まっていると思うと、尾田栄一郎先生の頭の中はどうなっている事やら…
最新の解析技術でやっとここまでわかってきたのに、尾田先生がワンピースの構想に着手し始めたのは中学生の頃…
やはり、"アカシックレコード"にアクセスできるお方なんでしょうか…。

事の真相は現実世界での情報開示より、ワンピースの連載で知る方が早そうです。
最終章に突入したワンピース。
今後の展開を楽しみに尾田先生の健康を祈りましょう^ ^

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