自律神経が交感神経と副交感神経から成るのは一般にも広く知られているでしょう。
所謂"自律神経の乱れ"は交感神経優位になると副交感神経が抑制され、それが慢性的に続くと様々な不調の原因となる。
というのがこれまでの考え方でした。
しかし、この理論に疑問を呈する考え方があります。
それが"ポリヴァーガル理論"
これは既存の自律神経とは少し変わった見方をします。
生命の危機が迫った時には交感神経だけではなく、副交感神経の一種である"迷走神経"の中でも"背側迷走神経"と呼ばれる神経が活性化し、これまで考えられて来た古典的な迷走神経の働きとは異なる別の働きを介した防御システムが発動すると考えます。
その代表的な反応は"不動化(フリーズ)"
不動化の例として例えば猫に捕まったネズミが、実際には死んでいないのに、まるで死んだかの様に全く動かなくなってしまう事がこれに当たります。
主に爬虫類に多く見られる反射。
これは危機状況で発動した極度の交感神経緊張に、背側迷走神経が強いブレーキをかけている状態。
この不動化・硬直という反応こそが"トラウマ"に対する反応。
そして背側迷走神経ともう一つ存在する副交感神経が"腹側迷走神経"
これは交感神経と背側迷走神経による原始的な防衛反応を抑制するブレーキ機能と、人間の最も適応的な"社会的な関わり"を司ります。
これにより人間は他者との関わりで落ち着き、表情や声を柔らかくし安らぎを覚える。
哺乳類は危機に直面すると"闘争・逃走"します。
闘うか、逃げるかの交感神経。
一人では生きていけない人間は腹側迷走神経の活性化し安心を獲得し、マインドフルな状態にいる事が何より重要。
・文字通り戦うのが闘争モード
・逃げるが勝ちが逃走モード
・諦めたり絶望するのが背側モード
・戦わずして勝つのが腹側モード
・闘争「あの人が許せない、仕返ししたい」
・逃走「人間関係リセット(連絡先削除、ブロック)」
・背側「あの人と仲良くなりたいけどどうせ無理だ、釣り合わない」
・腹側「会いたいから会う、氣になるから誘う、好きだからアプローチ」
腹側迷走神経活性化の為に、お腹に"蒸しタオル"を。