どこかにぶつけた記憶がないのに、いつの間にかできている"痣(アザ)"
その背景には、筋拘縮・血流・ホルモン・栄養不足が絡み合っています。 つまりアザは、からだが内側から発しているサインでもあるのです⚠︎
痣はただの"打撲の痕"ではありません。 筋肉が硬く、血流が滞り、鉄やビタミンが不足すると…毛細血管は脆くなり、ちょっとした衝撃で破れてしまい、知らぬ間にアザとなります。
◯痣の正体
痣とは医学的に"皮下出血(subcutaneous hemorrhage)"と呼ばれる現象。
皮膚のすぐ下を走る毛細血管が損傷し、血液が組織内に漏れ出して溜まる事で生じます。
最初に現れるのは青紫色。
これは、血液中のヘモグロビンが酸素を失った状態で皮膚下にとどまっている色です。
その後、からだの代謝によりヘモグロビンは分解されていきます。
青紫 → 緑 → 黄 → 褐色
という色の変化は、血液中の色素が順に分解されていく自然な過程を表しています。
故に、この一連の変化は"痣が治っていくサイン"でもあります。
一方で、「痣ができやすい」「痣がなかなか消えない」という人もいます。
これは単なる皮膚の問題ではなく、血管や血流の状態、さらには筋肉や栄養の影響が関与しています。
つまり痣は、偶然の産物ではなく、からだが発するメッセージ。
その意味を見落とさないことが大切なのです。
「女性は痣ができやすい」とよく言われます。
これは単なる印象ではなく、からだの構造・ホルモン・栄養状態といった複合的な要因によって裏付けられています。
◯特に女性に痣が多い理由
①皮下脂肪と筋肉量の違い
女性は男性に比べて皮下脂肪が多く、筋肉量が少ない傾向があります。
筋肉は外力を吸収する“クッション”の役割を持ち、毛細血管を守る防壁となります。
しかし筋肉量が少ないと、衝撃が直接血管に伝わりやすくなります。
さらに脂肪組織は筋肉のように強固に血管を支えられないため、毛細血管が外力によって容易に破れ、皮下出血を起こします。
つまり、「同じ強さでぶつけても女性のほうが痣になりやすい」というのは、この構造的な違いによるものです。
②ホルモンによる血管反応の違い
女性ホルモン(エストロゲン)には血管を拡張し、柔軟に保つ作用があります。
これ自体は健康にとってプラスの面もありますが、同時に「血液が毛細血管から滲み易い」状態を招く事があります。
また、月経周期によってエストロゲンやプロゲステロンの分泌が変動する為、血管の透過性も周期的に変化します。
その為「生理前後に痣が増える」「排卵期に青あざができやすい」と感じる女性も少なくありません。
その他に…
③月経と鉄欠乏傾向
④ビタミンC・ビタミンK不足による血管の脆さ
⑤自律神経と冷え性による血管の調整機能不良
…などがあります。
"いつの間にかできた痣"の原因がどれに当てはまるかを究明する事で、からだのメッセージに気付く事ができます◯