エプソムソルトとして知られる"硫酸マグネシウム"
水に溶け易い性質で、からだを芯から温め、疲労回復やリラックス効果があるとして、入浴剤として用いられる人気の健康のアイテムの一つ。
しかし、硫酸マグネシウムは入浴剤として利用し、経皮吸収で体内に摂り込む事はできても、それをからだの機能や代謝には実は然程活かせないのが、この形態のマグネシウム。
硫酸Mgは生体利用率が低く摂取後、血液中の濃度が急激に上がると、腎臓が過剰な量を迅速に排出しよう働く。
腎臓は、血液中の電解質やミネラルのバランスを保つ重要な役割を果たします。
硫酸Mgの場合、その一部は体内で利用されるものの、多くが腎臓を介して尿として排出されてしまいます。
それに対して"塩化マグネシウム"は、経皮吸収はもちろん、水に溶け易く、消化管から効率的に吸収される為、経口摂取も可能で、生体利用率が高いとされています。
より多くのマグネシウムが血液中に取り込まれ、細胞や組織で利用され易いのが、塩化Mg。
硫酸Mgは、体内利用率が低く、その排出され易い性質で下剤として利用される事も。
(※便秘薬として知られる"酸化マグネシウム"も同様)
そして塩化Mgは、マグネシウムだけでなく、塩素イオン(Cl⁻)も提供します。
この塩素イオンは胃酸(塩酸)の生成に役立ち、消化を助ける役割を果たし、腸内環境をサポートする効果まである◎
同じ元素でも、形態が異なるだけでからだへの反応・効果まで変わるマグネシウム。
海水から生まれる"塩化マグネシウム"の恩恵は、「生物は海から生まれた」事をマクロな細胞レベルを超えて、ミクロな分子レベルで裏付けてくれる。

